今すぐ役立たない手間を、明日の自分へ 。繰延資産という会計のレンズで考える
AI活用やNotesの試行錯誤を、今日だけで使い切らず、明日の自分へ渡す積み上げ方を考えました。
AIに記事を書いてもらうだけなら、もう私が自分で書くより速い。
悔しがる気もなくなるほど、圧倒的です😅
問題は、その先です。
私の過去の記事や発信軸を踏まえ、テーマを選び、構成を考え、下書きを作り、最後に私らしい文章になっているかまで確かめる。
そんな記事執筆の仕組みを、AIと一緒に作ろうとしています。
ところが、AIとのやり取りは、なかなか減りません。
一本書くたびに、指示を直す。
資料を整理する。
試してみる。
少しずつ精度は上がっているはずなのに、思ったように動かず、また直す。
一本の記事を書いてもらうのは速い。
でも、私の意図をくみ取り、次の記事にも使える仕組みへ育てようとすると、急に話が長くなります。
正直、ときどき思います。
「この仕組みが育つ前に、私が先に挫折するのでは?」
それでも、今日直した指示や整理した資料が次の記事にも使えるなら、この試行錯誤は今日だけで終わらないのかもしれません。
そんなことを考えたきっかけが、ある記事に出てきた言葉でした。
「過去の挫折から得た教訓【繰延資産】」
繰延資産。
少し難しそうな言葉ですが、ざっくり言えば、すでに支払ったものの効果を未来にもつなげて考えるための会計用語です。
その言葉が出てきたのが、まなびば|40代のじぶん最適化ラボ さんの、こちらの記事でした。
記事では、発信のネタになるものを、固定資産、流動資産、繰延資産という三つの資産に整理しています。
なかでも、ブログを2年間続けても収益が出なかった経験から得た教訓を、「繰延資産」と表現していました。
発信を、宣伝ではなく、頭の中の資産を積み上げる行為として捉え直す記事です。
発信の材料を棚卸ししたい方は、ぜひまなびばさんの記事も読んでみてください。
挫折ではなく、「得た教訓」に目が止まった
私は、この記事の「過去の挫折から得た教訓」という表現が面白いと思いました。
過去の挫折そのものは、売れるものではありません。
「ブログが読まれませんでした」と、そのまま差し出しても、たぶん値札はつきません。
けれど、何がうまくいかなかったのか。
どう立て直したのか。
同じ場所で悩む人へ、何を渡せるのか。
そこまで整理して教訓に変われば、将来、誰かの役に立つ可能性が生まれます。
挫折そのものには値札がつかない。
けれど、そこから得た教訓なら、未来の誰かに渡せるかもしれない。
このことを、「挫折」ではなく「挫折から得た教訓」と置くことで、価値が生まれる瞬間まで一言で描いていました。
なるほど、そこまで含めて「繰延資産」なのか。
私は、この比喩のうまさに膝を打ちました。
痛みは今ある。でも、効果は今だけではない
ここで、比喩の土台になった会計の「繰延資産」を、改めて少しだけ確認します。
大丈夫です。仕訳は出てきません👍
名前には「資産」とついていますが、本質的には費用です。
すでにお金を使った痛みがあり、売ればお金になる物を持っているわけでもありません。
それでも、その支出が未来にも役立つと期待できるなら、今すべてを費用にせず、いったん資産として残すことがあります。
そして、後から少しずつ費用にしていきます。
痛みは今ある。
でも、その効果は今だけではない。
私は、そこに繰延資産の面白さを感じます。
例えば、開業費がそのひとつです。
会社をつくっても、その日からすぐに商売が軌道に乗るとは限りません。
営業を始めるまでには、広告や事務所の準備など、さまざまなお金がかかります。
まだ売上は出ていない。
でも、お金は先に出ていく。
支払った瞬間だけを見れば、痛みでしかないようにも見えます。
ただ、その支出は、将来の営業を始めるための準備でもあります。
こうした開業前の支出の一部は、未来の商売にも役立つものとして、繰延資産にできることがあります。
開業費の考え方が面白いのは、お金を使う時点から、未来の商売につながると期待しているところです。
今の支出と未来の効果をつなぐ。
それが、繰延資産という会計のレンズです。
ここまで考えて、私はこの見方を、今している挑戦にも持ち込めるのではないかと思いました。
挑戦を始める時点から、期待した結果以外に何を残せるかも考えておく。
判断したこと。
試したこと。
届いた反応。
うまくいかなかった理由。など。
成功すれば、その結果を受け取る。
期待した結果に届かなくても、次に使えるものを残す。
期待した結果だけを挑戦の成果にせず、次に使える学びや記録も持ち帰れるようにしておく、ということです。
Notesは仕訳に、試行錯誤は仕組みに残す
この「未来を仕込む」という考え方を、私は今、SubstackのNotesで試しています。
会計にたとえるなら、Notesは日々の気づきや実験を記録する仕訳のようなものです。
記事ネタを短いNotesとして出し、反応を見ながら、どこまで専門性を出せば伝わるのか、どんな切り口なら届くのかを試しています。
反応があれば、その場で一つの効果が出たと考えられます。
反応が少なければ、少しへこみます。
そこは会計処理では消せません💦
それでも、なぜ届かなかったのかを考えれば、専門性の出し方を調整する材料になります。
断片がつながってきたら、それをパーツに一本の記事へ仕上げることも視野に入れています。
同じことは、AI活用にもいえます。
私は、記事執筆だけでなく、過去の投稿や統計データをAIに分析してもらう仕組みも整えています。
一回の分析なら、AIは速い。
ただ、次にも使えるように材料や指示、確認の流れまで整えようとすると、やはり時間がかかります。
それでも、その一回を次へ残せれば、今日の試行錯誤は今日だけの費用では終わりません。
明日の自分を、少しだけ楽にしてくれます。
繰延資産を仕込むとは、壮大な投資をすることではないのかもしれません。
今日の手間を、明日も使える形で残しておく。
積み上げるとは、今日と同じ苦労を明日も繰り返すことではなく、今日の試行錯誤を明日の自分へ渡すことなのだと思います。
だから私は、小さく試し、判断と結果を記録しておきたい。
今日の自分が試し、明日の自分が受け取る。
そのくらいの積み上げでいいのだと思います。
まなびばさんの記事にあった「過去の挫折から得た教訓は繰延資産」という表現がなければ、ここまで考えることはなかったでしょう。
過去の経験を棚卸しする視点を、今と未来の挑戦へ持ち込む。
そんな新しい見方の入口をいただいたことに、感謝しています。
あなたが今している挑戦から、結果以外に明日の自分へ渡せそうなものはありますか?
小さな記録でも、迷った理由でも、次に使える気づきでも。
よければ、コメントやリスタックで一つ教えてください。
今日の試行錯誤を、明日の自分へ渡していく。
そんな挑戦の積み上げ方を、これからも一緒に考えていけたらうれしいです。





山藤さん、こんにちは。「繰延資産を仕込む」という考え方、とても興味深かったです。
Notesも発信して終わりではなく、次への仕込みとしてどう活用するか、私も考えてみたいと思います。
やって見て、反応を見る、分析して、仮説を立てて、またやって見るの繰り返しですね😁